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フリ-ランスの確定申告|自分で行う際の4つの注意点と抑えておきたい4つのポイント

インタ-ネットが当たり前の時代となり、パソコン1つで様々なことができるようになりました。
それに伴い、会社から独立してフリ-ランスとして仕事をする人が急増しています。

10年前と今とでは独立することへのハ-ドルは大きく異なります。
20代や30代といった若い世代の独立も当たり前になってきたので、日本社会全体の働き方というのも今後さらに多様化していくと予想されます。

1つ問題があるとすれば、独立してフリ-ランスになると自分で確定申告をする必要が出てくるということです。
現在独立を検討されている方の中にも、確定申告などの事務作業がネックで独立に踏み切れないという方もいるのではないでしょうか?

ということで、今回はフリ-ランスが自分で行う確定申告についてお話していきます。
(フリ-ランスといっても色々な業種がありますが、今回のブログではシステムエンジニアライタ-などのパソコンで仕事をする方についてお話していきます。)




  • フリ-ランスが自分で確定申告したほうがいい理由
税理士の立場からするとフリ-ランスの方からも是非ご依頼頂きたいところなのですが、自分でできるならやってしまったほうがおススメなんです。


実はそこまで記帳作業が多くない

システムエンジニアやライタ-などのパソコンでお仕事をされるフリ-ランスの方は、他の業種に比べて取引の数がかなり少なくなります。

例えば、飲食店の経費についてみてみると、材料の仕入れに始まり、厨房の設備、水道光熱費、お店の家賃、お店の備品、広告宣伝、消耗品各種、その他もろもろ日々様々な経費が発生します。

しかしフリ-ランスの場合、最初にパソコンなどの設備を購入する以外はほとんど経費がかかりません
例を挙げるとすれば、交際費や交通費、通信費などといったところでしょうか。

というようにフリ-ランスは事業全体での取引の数が少ないので、自分でも十分に管理することができます。
それこそ会計ソフトを使用すれば、1日数分の作業で確定申告に臨むということも可能です。



自分で経理を行うことで数字的視点を得ることができる

確定申告のためというのはもちろんですが、自分の手で日々経理を行うことで事業のお金の流れを自然と把握することができます。

今月はいくら売上があったのか?、それに対して経費はどれくらいかかったのか?、この調子でいくと年間の所得金額はいくらになりそうか?など、数字という客観的な視点から事業を考えることができるようになります。

この数字的視点というのは経営者という立場からすると非常に重要なことです。
会社員時代とやる仕事にそこまで差は無くとも、フリ-ランスは個人事業主であり一経営者です。
数字的視点というのは身に着けるようにしましょう。



それでも不安の方が大きければ税理士に頼んでしまおう

日々の経理や確定申告というのは、事務作業であり書類作業です。
誰も自分から進んでやりたいなんて人はいないと思います。

実際にみんなまじめに経理をやっているかというとそうでは無く、普段は後回しで確定申告が近付いて初めて焦ってやりだすという方がほとんどです。

学校のテストとよく似ています。
しかし、テストは終わって結果がでればそれで終わりですが確定申告はそうはいきません。
申告したその場では間違いは指摘されず、後日税務署から修正の連絡が来たり税務調査の際に更正されたりと、後々になって間違いが指摘され追加の税金の支払いを命じられます。

自分で経理や確定申告を行うということは、多かれ少なかれそういった不安が常に頭の片隅に存在します。
不安の大きさは人によって違うと思いますが、どうしても苦手な方は割り切って税理士を頼ってしまったほうが安心できていいかもしれません。




  • 自分で確定申告をする際の4つの注意点
それではフリ-ランスの方が確定申告をする際に注意すべきことをご紹介していきます。


青色申告承認申請書は必ず提出しましょう

まず、独立したらすぐに青色申告承認申請書を提出しましょう。
この書類を独立後2ヶ月以内に税務署に提出しないと、青色申告の適用を受けることができません。

青色か白色かで優遇措置に大きな差があるので必ず提出しましょう。必ず。

青色申告については以前のブログをご参考ください。
65万円控除だけじゃない|個人事業主が白色申告から青色申告にすべき理由


給与所得か事業所得か

支払われたお金が給与所得にあたるのか、事業所得にあたるのかについて確認しましょう。
これはフリ-ランスならではの問題といえます。
給与所得の場合、事業の売上として計上することができず事業所得とは分けて申告します。

自分でどちらか分からない場合には支払い元に確認しましょう。

判別方法としては、時給や日給としてお金を貰っていれば給与所得、仕事の出来高に対する報酬としてお金を貰っていれば事業所得という風にお考えください。



源泉徴収の対象かどうか

上記で、事業所得となる報酬であった場合でも仕事内容によっては請求額から源泉徴収されている場合があります。
源泉徴収の対象であった場合、本来納めるべき税額よりも多く徴収されているということが多いです。

払い過ぎていた場合は確定申告によって還付されるので必ず確定申告しましょう。

源泉徴収となる報酬は以下の通りです。

原稿料や講演料、デザイン料等の報酬
・弁護士、税理士、司法書士等の特定の資格を持つ人に支払う報酬
・社会保険診療報酬支払基金の規定により支払われる報酬
・プロスポ-ツ選手やモデル、外交員等に支払う報酬
・芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬
・宴会等で客への接待を目的とするホステス等に支払う報酬
・プロ野球選手の契約金等、役務の提供を約束し、一時的に支払う報酬
・広告宣伝のための賞金や、馬主(法人も)に支払う競馬の賞金

一番上の赤文字部分がライタ-などのフリ-ランスの方に該当します。



住民税などの支払いは後から遅れてやってくる

これは確定申告が終わった後の注意点ですが、所得税の納付が無事終わったからといって安心してはいけません。

住民税や国民健康保険など、所得税の支払いが終わって忘れたころにやってきます。
確定申告が終わり安心して利益を使い込んでいると、後々やってくる支払いを行うことができずに借金をしてしまうというのはよくある話です。

特に1年目は確定申告が終わっても気を引き締めておきましょう。




  • フリ-ランスになるなら抑えておきたい4つのポイント
続いては確定申告や経理に限ったことではありませんが、フリ-ランスとして独立する際に抑えておきたいポイントをご紹介します。


独立の準備でかかったお金は開業費になる

フリ-ランスとして実際に仕事を開始していなくとも経費を計上しておくことができます。
それが開業費です。
(厳密には経費では無く繰延資産という扱いになります。)

独立のための準備にかかったお金はこの開業費とすることができます。
以下にいくつか例を挙げます。

・仕事用の物品の購入費
・事業用の印鑑や新しい名刺の作成費
・公告のためのチラシ代
・事前の調査にかかった交通費
・仕事に関係する本の購入費
・得意先との接待にかかった交際費
・セミナ-などへの参加費

などが開業費として該当します。
開業費として計上しておくためには領収書が必須なので、必ず保存しておきましょう。



新しくパソコンを買う場合は30万円が基準

フリ-ランスとして仕事をするためには自分のパソコンが必須だと思います。
そのパソコンを新しく買う際に考慮しておきたいポイントが30万円未満かどうかということです。

どういうことかというと、事業に関係する備品を購入する際に10万円未満の物であれば「消耗品」として経費にできるのに対し、10万円以上の物だと「固定資産」となり経費にするためには減価償却を行わなければいけません。

この時に、上記の青色申告の適用を受けていた場合、特例として10万円以上30万円未満で購入した「固定資産」の全額をその年に経費として計上することができます。

つまり、29万9,999円までは一括で経費にできますが、30万円を超えると数年かけて少しずつ経費になるのでその年の経費の金額が減ります。
経費が減るということは、支払う税金の額が増えるということなので30万円という金額を基準として覚えておきましょう。



自宅で仕事をするなら家賃などの一部を経費に

フリ-ランスの方の場合、取引先で作業をすることもあれば自分の自宅で作業をすることもあると思います。
自宅で仕事をしていれば、家賃や光熱費の一部を経費として計上することができます。
その際は、1ヶ月の家賃などを仕事で使用した日数、間取りなどで按分して経費として計上します。

また、カフェで仕事をした場合もその時のコ-ヒ-代などを経費にすることができます。
忘れずにレシ-トを取っておきましょう。



もしもの時のために保険でリスク管理

フリ-ランスや個人事業主の方が恐れるべきことの1つが病気や怪我によって仕事ができなくなることです。
会社で働いていた時は社会保険の他に雇用保険と労災保険に加入していたので万が一の場合も安心でした。

しかし、フリ-ランスとなったら雇用保険も労災保険もありません
仕事が出来なければ収入は0です。
自分や家族の生活を補償するためにも、保険についてもしっかりと考えておきましょう。




  • まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は確定申告の実際のやり方というのではなく、フリ-ランスならではの注意点などについてお話しました。

どんどん独立が気軽に当たり前になるといっても、会計や税務で必要な作業は今まで通り変わりません。
自由な働き方をより楽しむためにもやるべきことは確実にこなしていきましょう。



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