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仮想通貨で税金破産する仕組み

2017年より、「ビットコイン」をはじめとした仮想通貨が話題となりました。
つい最近も、580億円相当の仮想通貨「NEM」が2018年1月26日に不正流出した事件が大きく取り上げられ
いい意味でも悪い意味でも仮想通貨への注目度が高まっています。


今回は、その仮想通貨にかかる税金と、税金によるリスクについてお話します。


  1. 仮想通貨にかかる税金
仮想通貨によって得た利益は雑所得という扱いとなります。
雑所得とは所得税法35条で
「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも該当しない所得」
と規定されています。

雑所得の他の例として
・アフィリエイトでの収入
・ネットオ-クションでの収入
・印税
・講演料 
等があります。

雑所得の計算は以下の通りです。

売却価格-(所得金額+譲渡費用(手数料等))=雑所得

日本円に換金した時点で利益となり、確定申告が必要になります。
なので、仮想通貨を「保有している状態」では課税対象になりません。



  1. 雑所得に対する税額
雑所得の金額は、他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。
所得税は、累進課税制度で、所得が高いほど税率が高く設定されています。

①195万円以下:所得金額×5%
②195万円超330万円以下:所得金額×10%-97,500円
③330万円超695万円以下:所得金額×20%-427,500円
④695万円超900万円以下:所得金額×23%-636,000円
⑤900万円超1,800万円以下:所得金額×33%-1,536,000円
⑥1,800万円超4,000万円以下:所得金額×40%-2,796,000円
⑦4,000万円超:所得金額×45%-4,796,000円

ちなみに
1年間の雑所得の金額が20万円以上になると、確定申告をする必要があります。



  1. 雑所得で損をするケ-ス
まず確定申告の流れとして
1月1日から12月31日までの所得を計算し、次の年の3月15日までに申告して納税します。
確定申告での納税額は上記の通りです。

例えば、
1億円を仮想通貨の売却益で設けた場合
約4,000万円の所得税がかかります。

1億×45%-4,796,000円=40,204,000円

さらに確定申告をした所得をもとに住民税等も翌年にかかってきますので
税金総額はもっと支払わなければなりません。

では確定申告のことを頭に入れて、2つのケ-スをご紹介します。

1)
2018年9月に1億円の売却益を得た。
2018年12月に7,000万円の損失を出した。

この場合は2018年度末時点での利益である3,000万円が課税対象になります。
所得税は約920万円になり、約2,000万円が手元に残ります。

2)
2018年9月に1億円の売却益を得た。
2019年1月に7,000万円の損失を出した。

この場合だと課税対象は1億円になります。
納税の段階では3,000万円しかありませんが、所得税は約4,000万円かかるので
1,000万円以上の借金になってしまいます。


このように、少し時期がずれるだけで大きな損失を負いかねません。
儲けが出れば出るほど負債のリスクは上がっていきます。
仮想通貨に注目が集まっている今だからこそ、その危うさもしっかりと考えたほうがいいのかもしれません。







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